山口歯科医院

歯周病指導医・専門医山口文誉

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山口歯科医院 院長 山口文誉が、お問い合わせの多い内容のご返答や、
医院であった出来事などを書き綴っていきます。

上顎の骨が薄い場合(上顎洞挙上術:オステオトーム法)Part2

【骨移植材を使用せず上顎洞の骨膜を持ち上げ、骨造成を行う方法の症例報告】

Clinical Oral Implants Research     May 2008 – Vol. 19 Issue 5 Page 433-538
Resonance frequency analysis of stability on ITI implants with osteotome sinus floor elevation technique without grafting: a 5-month prospective study
Hong-Chang Lai, Zhi-Yong Zhang, Feng Wang, Long-Fei Zhuang and Xin Liu

【骨移植材を使用せず上顎洞の骨膜を持ち上げ、骨造成を行う方法の症例報告】
Clinical Oral Implants Research     December 2006 – Vol. 17 Issue 6 Page 601-746
Osteotome sinus floor elevation without grafting material: a 1-year prospective pilot study with ITI implants
Rabah Nedir, Mark Bischof, Lydia Vazquez, Serge Szmukler-Moncler and Jean-Pierre Bernard

上顎の骨が薄くインプラント治療を行うにあたり不十分な骨量しかない場合は、上顎洞の骨膜を骨移植材にて持ち上げ骨を造成する必要がある。
⇒参照;上顎の骨が薄い場合(上顎洞挙上術:オステオトーム法)Part1

しかし、本法は骨移植材を使用せず上顎洞の骨膜を持ち上げ骨造成を行う方法を症例報告している。骨移植材を使用することなく骨造成が行える本法の確実性が増せば、材料の制約の多い日本においては大変有効な手法となり得ると考える。

上顎の骨が薄い場合(上顎洞挙上術:オステオトーム法)Part1

【上顎洞挙上術】(じょうがくどう きょじょう じゅつ)

人間の頭部は口・目・鼻のように、いくつもの空洞があります。
そして、頬(ほほ)の部分の内部にも“上顎洞(じょうがくどう)”という空洞があります。

上顎洞(じょうがくどう)は、ちょうど上の奥歯の根の先端部分に位置しています。
上の奥歯にインプラント治療を行う際、上顎洞(じょうがくどう)の空洞部分にインプラントを支持するための骨量が不足している場合が多く認められます。
従って、同部位にインプラント治療を行うにあたり骨量が不足している場合には、
骨造成が必要となります。
その骨造成法を、『上顎洞挙上術(じょうがくどうきょじょうじゅつ)』と言います。

⇒オステオトーム法
当医院では、オステオトーム法による上顎洞挙上術(じょうがくどうきょじょうじゅつ)を頻要しています。利点として、“痛みや腫れが少ない”、“治療時間が短くて済む”などが挙げられます。

細いインプラントの可能性(φ1.8mm/2.2mm/2・4mm)

Int J Periodontics Restorative Dent.           2007 Oct;27(5):449-55.
Narrow-diameter implants: a restorative option for limited interdental space.
Froum SJ, Cho SC, Cho YS, Elian N, Tarnow D.

インプラントの標準径は約4.0mm程度だが、本論文で使用されているインプラントは1.8mm/2.2mm/2・4mmと大変細いインプラント(Dentatus社)を使用し27名48本全てが成功したと、症例報告している。

インプラント治療は、通常最終的な歯が入るまで3~4ヶ月の治癒期間が設けられる。
その間の仮歯を支えるための一時的な暫間インプラントとして、このインプラント(Dentatus社)は開発されたものである。しかし、この細いインプラントも通常の4.0mmインプラントと同様の骨結合を示すことが2005年に確認された事をうけて、本症例にあたったものである。

細いインプラントの臨床応用に関し、確実性を示すにはまだ道のりがあるが、可能性を示している。
細いインプランを使用することで今までの骨造成法がキャンセルされ患者様に負担を掛けることなくインプラント治療を行えることは大きいと考える。スペ−スが限られている場合・骨量が不足している場合などの前歯部には大変有効であろう。

メタルフリー(金属を使用しない)の歯科材料への移行

上段;オールセラミック・クラウン(メタルフリ−の歯科材料)

下段;メタルボンド・セラミッククラウン

オールセラミック・クラウン、ジルコニア・クラウン(メタルフリ−の歯科材料)
現在、材料の進歩と共に金属に変わる強固な材料が開発され、全て白い材料にて修復物を作成できるようになり、下記の問題点が克服されました。強度的に充分でかつほぼ自然な歯に修復できるようになっています。そして、金属を使用せずに済みますので金属アレルギ−などの心配もありません。

メタルボンド・セラミッククラウン
以前、審美修復治療にはセラミックのみでの作成は強度的に問題があるとされ、金属にセラミックを被覆し作成していました。しかし、内部の金属色が透過してしまい歯が灰色がかり・歯茎付近に金属色が出てきてしまい、特に審美的に重要となる前歯の修復にあたっては自然感の再現性に問題がありました。

歯周病の早期発見・早期治療の重要性

Journal of Clinical Periodontology      February 2008 – Vol. 35 Issue 2  Pages 175–182
Tooth loss after active periodontal therapy. 2: tooth-related factors
Bernadette Pretzl, Jens Kaltschmitt, Ti-Sun Kim, Peter Reitmeir and Peter Eickholz

歯周病の治療を受けていた歯にもかかわらず、その後のメンテナンス期間中(10年間)に結局
抜歯に至ってしまった要因について報告されています。

初診時の骨吸収の程度
初診時の段階で歯周病が既に大きく進行してしまっている歯。歯を支えている骨の吸収度合いが強ければ強いほど、歯周病の治療を受けたとしても予後は悪い。
分岐部病変を持つ歯
臼歯部(奥歯)における歯周病で、歯根が分岐している部分にまで歯周病が進行してしまった歯。
ブリッジなどの支えとなっている歯

上記の論文から、歯周病が大きく進行してしまった歯は、歯周病の治療を受けたとしても予後が不良となり、抜歯に至ってしまう可能性が高い事が示されています。
歯周病を早期に発見し・出きるだけ早期に治療する事が、歯周病治療の効果を高め・歯を温存する可能性を高める事を示唆しています。

まずは痛みなどの自覚症状がなくとも、“歯周病の検査”をお受けになることをお勧めいたします。

【分岐部病変とは・・・】
臼歯部(奥歯)には歯根が複数本あり、歯根が分岐している部分を分岐部と言います。
その分岐部にまで歯周病が進行してしまっている状態を 『分岐部病変』 と言います。

山口歯科医院のブログがスタートしました!

こちらでは、日々の診療の中で頂くご質問にご返答をさせて頂くと共に、
『歯周病治療・インプラント治療・審美治療』の最新論文情報
新しい症例の紹介・各治療についての情報を書き綴っていきます。

患者様にとって、より良い情報と歯科治療への理解を深めて頂ける場と
なればと考えております。

今後共、宜しくお願いします。

院長 山口文誉

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